端午の節句のお祝い餅|柏餅・ちまきの由来と選び方

端午の節句(5月5日)は、子どもの健やかな成長を願う日。お祝いの席に欠かせないのが「柏餅」と「ちまき」です。どちらを用意すればよいか迷う方のために、由来と選び方のポイントを分かりやすくまとめました。

柏餅の由来

柏の木は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、「家系が絶えない=子孫繁栄」の象徴とされてきました。
その柏の葉で餅を包む柏餅は、江戸を中心に広まった関東の風習。葉は食べず、香りを移して楽しみます。

ちまきの由来

ちまきは中国の故事(忠臣をしのび厄除けとして粽を供えた)に由来するといわれ、笹や茅で包んだ餅を紐で結ぶのが特徴。
関西では「厄払い・無病息災」を願う節句菓子として根づきました。
近年は全国どこでも見かけます。

どっちを選ぶ?(地域・家庭の慣習でOK)

一般に「関東=柏餅、関西=ちまき」と言われますが、正解は“家庭の慣習と好み”。
迷ったら、両方少しずつ用意して食べ比べもおすすめです。
初節句なら写真映え・意味合いの両面から、柏餅+ちまきの“ハレ盛り”が喜ばれます。

買うタイミング・日持ち

どちらも基本は当日中が食べ頃。前日購入の場合は、高温多湿を避けて涼しい場所で保管し、翌日は軽く蒸す・レンジで少し温めるとやわらかさが戻ります。
冷蔵は固くなりやすいので避け、やむを得ず保存するなら乾燥防止をしっかり。

柏餅の選び方

  • 葉・香り:青々とした柏葉で、ほのかに香るものが◎。
  • 餅の食感:指で押しても戻るほどのコシと、口どけの良さが両立しているか。
  • あん:こしあん・つぶあん・みそあんが定番。子どもにはこし、甘じょっぱさを楽しむならみそも人気。
  • :白・よもぎなど。よもぎは香りが立ち、季節感を演出できます。

ちまきの選び方

  • 包み:笹や茅の清々しい香りがあるもの。結び目がしっかりしているか。
  • 中身:関西はうるち粉ベースの“ぷるん”とした食感が多く、甘味・きなこ付けなどタイプを確認。
  • サイズ:子ども用は小ぶり、贈答ならボリューム感のある詰め合わせが映えます。

個数の目安・贈り物マナー

家族分+“おかわり”用に少し余裕を。
贈答は奇数(3・5・7個)を目安に、のしは「端午の節句御祝」や「初節句御祝」。高齢の方や小さなお子さまがいる先様には、やわらかめ・小ぶりサイズを選ぶと親切です。

楽しみ方のひと工夫

柏餅は温かい緑茶やほうじ茶と好相性。
ちまきはきなこ・黒みつを添えるとデザート感が増します。
食卓に鯉のぼりや菖蒲の花を飾れば、いっそう季節を感じるお祝いに。


意味を知って選ぶだけで、端午の節句はもっと特別に。
ご家庭の“いつもの味”に、今年は少しだけこだわりを足してみませんか。